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200億円を集めた『ジー・オーグループ』
【入手経路・形式等】
「フライデー」2月8日号通巻第948号 18〜19頁
講談社2002年 より引用転載。
  • 仮名遣い等は原文ママ。
  • メイン以外の写真およびキャプションと文中の写真位置を示すカッコは省略。
 
「問題投資グループ」オーナーのビックリ仰天写真
1月20日、自主製作映画の「初公演」を終えた後、投資トラブル等の“釈明会見”を行った大神源太氏。ナルシシズム全開の出で立ちだ
どーですか。この怪しさ。
1月29日に“釈明会見”を行った大神源太氏(39・写真上)は、なぜか乳首スケスケの衣装をまとっていた。 彼は、オイシイ投資話で約4万人の会員からカネを集め、トラブルになっている『ジー・オーグループ』なる企業グループ(日本、フィリピン、インドネシアなどに約10社)の事実上のオーナーだ。左ページの写真は、彼が主演する自主製作映画の新聞広告、数々の講和ビデオの中の1本、『2002年カレンダー・アクション編』である。
同グループの元社員がいう。
「'96年からグループ企業のひとつ『ジー・コスモス・ジャパン』が出資金を募り始め、これまでグループ全体で約200億円を集めています。このカネを大神は湯水のように使っているのです。意味不明の訓示を垂れるビデオを何本も作り、自分をPRする『大義新聞』を発行、美容整形し、ハリウッドで有名な監督や俳優を雇って、自分が主人公のアクション映画まで製作した。ロールスロイスも2台所有。当然、いまでは会員に元金どころか、配当すら払えなくなっています」
そういえば、大神氏は、かつて『商工ファンド』の大島健伸社長や『法の華三法行』の福永法源被告が入居していた東京・渋谷区内の家賃400万円という超高級マンションに住んでいたが、1月19日にひっそり転居している。
それにしても、こんな人物が主宰するグループに、なぜ大金が集まったのか。
「グループの利益の大半は『ジー・コスモス』が挙げています。ここは新聞広告や就職情報誌に、『準従業員募集』『月収20〜50万円以上』などと広告を打ち、連絡してきた人に『ウチの通販事業の広告費に出資すれば、商品売り上げの30%が出資額に応じて分配され、あなたの利益になります』と持ちかけるんです」(前出元社員)
さらに同グループ関係者は、会員を逃さないための手法をこう明かす。
「これだけ儲かっていますと書面で伝え、『コスモスがさらに有利な条件で資金運用しますからこのカネを投資しませんか? 元本保証、利率120%を確約します』といって元金は絶対に返さない」
すでに同グループに1200万円以上を投資したという会員A氏が嘆く。
「'99年、『絶対に元本割れはない』といわれ、『ジー・ユニバーサル』社の健康茶に250万円を投資、以降コスモスの通販広告にもマメに投資しました。翌年、『元本保証・6カ月コース』や『真・善・美』という新システムができた、いまなら手数料無料などといわれてこちらに移行。'01年夏にはこれまでの投資660万円を、3年で39%の利益になると『ジー・コスモス・フィリピンズインク』社債に転換させられ、10月には『フィリピンで銀行を買収し、大神銀行として発足させた。永久的に利益が3カ月に一度支払われるOGAMIシステムを開始する』とかいう通知が来て、今度は、勝手にこの銀行の株式に転換されたんです」
しかし、これまでA氏に振り込まれたのは配当金の一部、42万円だけだという。
「残りの配当金も出してほしいというと、『運用取引先からの入金が滞っていて一括で払えない。5年60回払いになる』と。その後、1本5000円というカレンダーが10本送られてきましたが、さすがに頭にきてカネは払ってません」 ジー・オーグループは、昨年9月にフィリピンの銀行を買収、『大神銀行』を誕生させたからと、「年利8.125%、為替リスクは銀行負担」というオイシすぎる条件で、1億円以上の預金を集めたという。だが、フィリピン中央銀行は、同グループの銀行業を承認していない。にもかかわらず日本で預金を集めたのなら、完全な出資法違反である。 しかも、この『大神銀行』、グループ企業に無担保で1800万ペソ(約4500万円)の不正融資をしたあげく、1月7日に経営破綻してしまったのだ。預金はどうなるのか? もうメチャクチャだ。
「ジー・オーは『(大神氏主演の)映画を公開すれば興業収入が180億円になる。これを遅れている配当金支払いに充てる』といっていますが、配給会社に話を持ち込んでも『なんで素人主演の映画を上映しなくちゃならないのか?』と断わられ続けているそうです」(前出・関係者)
で、話は冒頭に戻る。1月20日、同グループは、ついに銀座ガスホールを借り切って、例の映画『ブレイズ・オブ・ザ・サン』の自主上映にこぎつけた。ところが1時間40分のこの「映画」、主演スター・大神氏のセリフはこっちが赤面しちゃうくらいの棒読み。とても人様からカネのとれるシロモノじゃない。
「会員の方、(支払いは)あと6カ月だけ待ってください! (大神銀行の問題は)我々がサギの被害者。(不正融資疑惑の)真実はまもなく明らかになる!」
大神氏は会見でこう“釈明”し、ヘンな衣装のまま、銀座を後にしたのだった。
(PHOTO 上本正春)
 
【解説】
何気なく立ち読みして見つけた記事。ジーコスモスおよび関連会社の手口を元社員の告発という形でコンパクトにまとめている良文のため、あえて解説するべきポイントもない。
ちなみに、今回掲載を見送った写真の各キャプションは以下の通り。
  • 大神氏主演映画の広告。この中で彼は「天神真楊流柔術主宰」「現役武道家」と名乗っている。トホホ・・
  • 現在とは丸で違う顔の大神氏が「生きる力に対する法則」を説く、不思議な会員向けのビデオ
  • 「キムタクを凌ぐ日本一カッコイイ男」(広告より)の豪華カレンダー。他に「セクシー編」「哀愁編」等がある
 
(02年3月09日初出)
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